靴底に付着した新型コロナウイルスが感染源になる?
日本に比べて欧米での新型コロナウイルスの感染スピードが早いことはご存知でしょう。これには何かしらの原因があると考えられます。
以前からツイッターや5chなどでは靴底(靴裏)にコロナウイルスが付着し運ばれて、感染の原因になっているのではないかと言われていました。
新型コロナウイルスが広まっている地域を見ると、玄関で靴を脱がない文化圏で感染が広まっているように見えるからです。
それに対し、日本を始め玄関で靴を脱ぐアジア圏の国では感染スピードが遅く見えます。
他には握手やハグをする文化の方が感染スピードが早いのではないかと言われていました。
ですがこれはあくまでも噂レベルです。
靴底に付着したウイルスが運ばれるというレポート
しかしそれを裏付けるレポートが発表されました。
Shoes Can Carry the Coronavirus, According to the CDC – Footwear News
上の記事によると、いくつかの事がわかりました。
中国・武漢市の病院で空気と表面のサンプルをテストしたところ、ICUで働く医療従事者の約半数が靴底にコロナウイルスが付着し運んでいることがわかりました。そして薬局のフロアは100%陽性で、感染した患者ではなく医療従事者がウイルスを運んでいたことが明らかになりました。
CDC(アメリカ疾病予防管理センター)は、COVID-19患者がいる病棟を出る前に靴底を消毒することを勧めています。
このことからも靴の底に付いたウイルスが運ばれるのは確からしいです。
コロナウイルスの感染を防ぐために靴を消毒する
先程の記事は病院での研究でしたが、それ以外の場所でも靴底にウイルスが付着する可能性はあります。
日本でも新型コロナウイルスに感染する人が増えているので、歩いている道にウイルスが落ちていて靴底に着くことは十分に考えられます。
日本では家に入るときに玄関で靴を脱ぐので、欧米に比べてそこから感染する可能性が低いかもしれません。
しかし可能性がゼロとは言い切れないですし、小さいお子さんは靴を履くときに靴底を触ることがあるので、それが原因で感染することも考えられます。
また、ウイルスが付着しているのは靴底だけとは限りません。靴の上側や靴紐などにも付いているかもしれません。そうすると普通に靴を履くだけでウイルスが手に付いてしまいます。
ですからなるべく靴を洗ったり消毒するのが望ましいです。
畜産業に従事している方からすると、靴底にウイルスが付着するのは当たり前で、なぜ今までこのことが言われなかったのか不思議なようです。
例えば、口蹄疫対策として牛舎に入る前は靴底を消毒しますし、鳥インフルエンザや豚コレラ対策に靴底を消毒します。
靴底消毒大事です。
宮崎県では10年前の口蹄疫以降、空港等で防疫マットによる靴底消毒やってますね。畜産全滅しかけたから…
ウチもねこたちが怖い病気にならないよう、帰宅後は必ず靴の消毒をしてます。 https://t.co/p2p6mNKtyz
— annatortoise(インドホシガメ) (@annatortoise007) April 20, 2020
新型コロナウイルスに関する海外のニュースを見ると、道路に消毒液を吹きかけている様子が何度も紹介されていました。
このことからも道路にコロナウイルスが存在し、感染の原因になると考えられていることが分かります。
靴の消毒や洗濯の方法
靴を消毒する方法としては色々ありますが、主なものは以下になります。
- 石鹸や洗剤
- アルコール
- 次亜塩素酸ナトリウム
- 次亜塩素酸水
石鹸や洗剤
石鹸や洗剤で靴を洗います。
コロナウイルスはエンベロープという膜を持っています。
この膜は石鹸や洗剤などの界面活性剤で簡単に壊れ、ウイルスを不活性化させることができます。
アルコール
アルコール消毒液などをスプレーしたり、アルコール除菌シートなどで拭いたりします。
エンベロープを持ったウイルスには、アルコールによる消毒が有効とされています。
新型コロナウイルスもエンベロープを持っているので、アルコールにより消毒できます。
アルコールは濃度70%以上のものが推奨されています。
次亜塩素酸ナトリウム
エンベロープを持つウイルスには、濃度0.1%以上の次亜塩素酸ナトリウムも有効です。
次亜塩素酸ナトリウムを希釈し、布などに含ませて靴を拭きます。
次亜塩素酸ナトリウムというのはハイターの成分です。物の消毒には使えますが、手や肌の消毒はできません。
強いアルカリ性なので、肌につくとタンパク質が溶けてしまいます。
次亜塩素酸ナトリウムを使うときは、ビニール手袋などをすると安全です。
また酸性のものと混ぜると有毒な塩素ガスが発生するので、扱いには注意が必要です。
トイレ用洗剤で「混ぜるな危険」と書かれているのでこの塩素ガスが発生するためです。
次亜塩素酸水
次亜塩素酸水は次亜塩素酸ナトリウムの約80倍の除菌力があります。
次亜塩素酸(HClO)は、ウイルスや菌類の細胞膜を瞬時に破壊し不活性化します。
次亜塩素酸水は反応すると水になるので、安全性も高いです。
50ppmまで希釈すると手や肌にも使えます。
また次亜塩素酸水と超音波加湿器を使って空間除菌することもできます。ただし、吸い込んだときの安全性が確認されていないため、空間除菌するときは人のいない部屋などで行うようにしましょう。
次亜塩素酸水は製造されてから3ヶ月ほどしか持たないので、購入するときはなるべく新しいものを選びましょう。
私はアルコール消毒液がなかなか手に入らないので次亜塩素酸水を使っています。
2020年4月現在では、次亜塩素酸水も売り切れるようになっているようです。私が購入していたお店でも見かけないですし、近所のドラッグストアを周ってみたのですが見つけられませんでした。
それでネットで探してみたところ、除菌水ジーアという次亜塩素酸水がありました。メーカー直販なので、手に入りやすいと思います。
除菌水ジーアはウォーターサーバーで有名な「オーケンウォーター」が発売している次亜塩素酸水で、定期的に宅配してくれます。しばらく大変な時期が続きそうなので、定期的に購入できると安心ですね!
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い注文が殺到しているようで新規の受付を停止していましたが、2020年4月21日より再開されるそうです。
次亜塩素酸水がなかなか手に入らないという方はチェックしてみてください。
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次亜塩素酸水を自作する
次亜塩素酸水は自作することもできます。
ピューラックスなどの次亜塩素酸ナトリウム殺菌消毒剤と炭酸水から次亜塩素酸水を作ることができます。
コスパ的には自作するのがおすすめです。
こちらで次亜塩素酸水を作る方法について詳しく解説しています。
次亜塩素酸水の作り方|新型コロナウイルスで注目
新型コロナウイルスの生存期間
物に付着した新型コロナウイルスはいつまでも生存しているわけではありません。
ある程度の時間が経つと検出されなくなります。
ウイルスの生存期間は付着している物の材質によって異なります。
よく言われるのが、ツルツルしている面ほど長く存在しているということです。
7~9日ほど生存している材質もあります。
道路や靴底はあまりツルツルしていないので、それほど長い時間は存在していないかもしれません。
しかし、運が悪いと感染者が咳をしたばかりの飛沫を踏んでしまうこともあるでしょう。
そのようなケースも考えると、なるべく靴を消毒したり洗うようにしましょう。
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