次亜塩素酸水の作り方|新型コロナウイルスで注目

次亜塩素酸水の作り方

こちらでは次亜塩素酸水を自作する方法を紹介しています。

新型コロナウイルス(COVID-19)が流行してから次亜塩素酸水も手に入りにくくなっています。

ネット通販でもかなり値上がりしていたので、自作できないか調べてみたところ簡単に作れることがわかりました。

次亜塩素酸水の作り方

次亜塩素酸水の作り方としては、電気分解で作る方法、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム粉末を溶かして作る方法、ピューラックス等の消毒剤から作る方法があります。

これらの中でおすすめなのは「ピューラックス等の消毒剤から作る方法」です。他の方法よりも圧倒的にコストが安く、手軽にできるからです。

参考となる動画

まず、こちらの動画でピューラックスと炭酸水から次亜塩素酸水を作成する方法が紹介されているので参考にしてください。


色々と調べた中でこちらの動画が一番分かりやすく、内容もしっかりしています。

簡単に説明すると、「ピューラックスに炭酸水を加えて中和させ、水を加えて希釈する」と次亜塩素酸水ができます。

またYoutubeのサイトに行けばコメントも読むことができます。コメントにはピューラックス以外のものを使って作る方法などの情報が盛りだくさんなので、読んでおくことをおすすめします。

この動画を見ればすぐわかるのですが、動画が見れない方もいるかもしれないので簡単にまとめておきます。

次亜塩素酸水の作成に必要なもの

次亜塩素酸水を作るときに必要になるのは以下のものです。

必要なもの

  • ピューラックス(次亜塩素酸ナトリウム6%)・・・10ml
  • 炭酸水・・・200ml
  • 水・・・1290ml
  • 1500ml(1.5L)のペットボトル
  • スポイト
  • 計量カップ

それぞれについて簡単に説明します。

ピューラックス

動画ではピューラックスを使って作成しています。「ピューラックス」というのは、次亜塩素酸ナトリウム6%を成分とする医薬品の殺菌消毒剤です。

食品添加物である「ピューラックスS」というものもあります。ピューラックスもピューラックスSもどちらも同じように使えます。

法律的に、ピューラックスは第2類医薬品でピューラックスSは食品添加物とされているだけで中身は同じです。

次亜塩素酸ナトリウムの消毒剤ならピューラックス以外のものでも使えます。例えば、ケンミックス4(4%)、松葉次亜塩素酸ナトリウム(12%)、ハイター(6%)、ミルトン(1%)、ピュリファンS(1%)、ミルクポン(1%)など。濃度によって入れる量が異なるので注意してください。

ハイターにはキッチンハイターという種類もありますが、キッチンハイターは界面活性剤が入っているので適していません。ハイターを使うときは界面活性剤の入っていないものを使います。

注意
次亜塩素酸ナトリウムの消毒剤はアルカリ性なので、肌に触れると危険です。素手で触ったり、吸い込んだり、目に入らないように注意してください。
MEMO
ミルトンやピュリファンS、ミルクポンは赤ちゃんの哺乳類などを消毒するための商品です。次亜塩素酸水の作り方が広まってからミルトンなどが売り切れになっていて、赤ちゃんのいる家庭が困っているそうです。赤ちゃんのいる家庭以外の方は、ミルトン等の赤ちゃん用のものは購入しないようにしましょう。

炭酸水

スーパーやコンビニで売っている普通の炭酸水を使います。

炭酸以外のもの(砂糖など)が入っていない炭酸水を選びましょう。

水道水でOKです。

1500ml(1.5L)のペットボトル

普通のペットボトルです。

スポイト

ピューラックスを計るために使います。

計量カップ

炭酸水を量るために使います。

ピューラックスを使って次亜塩素酸水を作る手順

ピューラックスを使って実際に次亜塩素酸水を作る手順を説明します。

次亜塩素酸水を作る手順
  1. 作成する次亜塩素酸水の濃度と量を決める
  2. 必要なピューラックスを取り出す
  3. 炭酸水を加えて中和させる
  4. 水を加えて適切な濃度に希釈する
STEP.1
作成する次亜塩素酸水の濃度と量を決める
ここでは例として、400ppmの次亜塩素酸水を1,500ml(1.5リットル)作成してみます。
ちなみに、マツモトキヨシの次亜塩素酸水は200ppmです。
STEP.2
必要なピューラックスを取り出す
ピューラックス6%は、60,000ppmですので、400ppmにするには150倍に薄めます。
150倍に薄めて1.5Lにするので、必要となるピューラックスの量は10mlです。
スポイトで10mlのピューラックスを取り出し、ペットボトルに入れます。
STEP.3
炭酸水を加えて中和させる
10mlのピューラックスを中和させるために必要な炭酸水は120mlです。
しかし、念の為に200mlの炭酸水を加えて中和させます。
炭酸水が少ない場合は中和できませんが、炭酸水が多くても問題ないからです。
STEP.4
水を加えて適切な濃度に希釈する
合計で1500mlになるようにペットボトルに水(水道水でOK)を加えます。
これで完成です。

この作り方の良いところは、pHの調整をする必要がないことです。自動的にph5.8くらいになります。

動画の通りに作れば適切なpHや塩素濃度になります。

しかし実際にpHや残留塩素がどのくらいなのか心配という方は、pH試験紙や残留塩素試験紙で確認すると良いでしょう。

注意
中和させるときは炭酸水を使ってください。
念の為、換気しながら行いましょう。

次亜塩素酸水の使い方

作成した次亜塩素酸水は使用目的に応じて希釈して使います。

手や指に使う

手や指に使うときは50~100ppmほどまで薄めて使います。

400ppmの次亜塩素酸水を50ppmに希釈するには、8倍に薄めます。

例:400ppmの次亜塩素酸水50mlに350mlの水を加えると、50ppmの次亜塩素酸水が400mlできます。

空間除菌

空間除菌するときには50ppmほどに希釈します。

空間除菌するときは超音波式の加湿器を使います。

加熱式の加湿器だと、次亜塩素酸水が水に戻ってしまうからです。

また、吸い込んだときの安全性が確認されていないため、空間除菌するときは人のいない部屋などで行うようにしましょう。

物の除菌

物に吹きかけて使うときは200ppmほどで使います。

滅菌

エタノールが効かないノロウイルスやコロナウイルスに使うときは400ppmほどで使います。

注意
アルコールの場合はすぐに揮発しますが、次亜塩素酸水は有機物にふれるとすぐに水になります。
しばらく濡れた状態になるので、金属部分などは10分ほどしたら拭き取るようにしましょう。

ハイターでも次亜塩素酸水を作れる?

ハイターにはいくつか種類があり、界面活性剤入のキッチンハイターなどがあります。

ハイターで作るときには界面活性剤の入っていないものを使います。

動画のコメントが参考になります。

次亜塩素酸水は新型コロナウイルスCOVID-19に効果がある?

厚生労働省によると今のところ新型コロナウイルスに対する次亜塩素酸水の効果は確認されていません。

しかし現在、経済産業省により新型コロナウイルスに対する次亜塩素酸水の効果を試験中です。

おそらく2020年5月中にその結果が報告されると思われます。

参考 消毒方法の有効性評価についての途中経過METI/経済産業省

しかし、医療機関・老人ホーム・美容院・ホテル・飲食店など様々なシーンで新型コロナウイルス対策として次亜塩素酸水が使用されています。

また、多くの論文で次亜塩素酸水のコロナウイルスに対する抗ウイルス効果が報告されています。

例えば、一般社団法人 日本電解水協会によると「次亜塩素酸水が新型コロナウイルスに効果があることは十分推察できる」との見解を示しています。

次亜塩素酸水がコロナウイルスに効く仕組み

新型コロナウイルスへの効果は経済産業省が現在確認中です。ここでは新型ではないコロナウイルスについての効果について説明します。

コロナウイルスはエンベロープという脂の膜を持っています。

次亜塩素酸水はエンベロープを壊すので、ウイルスが不活性化します。

次亜塩素酸水は有機物にふれるとすぐに反応して水に変化するので安全性が高いです。

また、次亜塩素酸は体中でも作られていて、細菌やウイルスから体を守っています。

新型コロナウイルスへの消毒方法としてアルコールが知られていますが、アルコールは手や肌に塗ると皮脂も取ってしまうので、カサカサになり肌が荒れてしまいます。

しかし次亜塩素酸水は反応するとただの水になるので、手がカサカサになったり肌荒れすることがありません。

ちなみに
厚生労働省では次亜塩素酸ナトリウムが新型コロナウイルスに抗ウイルス効果があるとしています。

新型コロナウイルスへの効果はまだ確認されていませんがそれ以外のものへの効果として、次亜塩素酸水は次亜塩素酸ナトリウムの80倍の除菌効果があると言われています。

次亜塩素酸水は既製品を購入するのと自作ではどちらが良い?

次亜塩素酸水としては、自作したものと既製品は同じです。

現在では既製品の次亜塩素酸水が値上がりしているので、自作するのがおすすめです。

「自作するのが面倒」「自作するのは不安」という方は既製品を購入すると良いでしょう。

既製品の種類

自作ではなく、既製品が良いという方のためにいくつか紹介します。

売っている次亜塩素酸水を大きく分けると、「そのまま使えるもの」「希釈するもの」「粉末を溶かすもの」があります。

そのまま使えるものというのは、50ppmほどの濃度で薄めずに使えるものです。

例えば、こちらの除菌水ジーアがあります。除菌水ジーアはメーカー直販なので購入しやすいです。

希釈するものというのは、200~500ppmほどで水を加えて薄めてから使います。

例えば、除菌モーリスなどがあります。

粉末を溶かすものというのは、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの粉末のことです。

粉末を水に溶かすことで次亜塩素酸水になります。