こちらではエックスサーバー(Xserver)にSubversion(SVN)をインストール手順について紹介しています。
目次
エックスサーバーにSubversionをインストールには
知人にエックスサーバーにSubversionをインストールしてほしいと頼まれたので、やってみたところ意外と面倒だったのでメモしておきます。
バージョン管理といえばGitが人気で、今さらSubversionと思われるかもしれません。しかしプロジェクトによってはSubversionの方が向いていることもあります。
エックスサーバーでは管理権限がないのでyumが使えないため、自分でダウンロードしてインストールしなければなりません。
インストールするためにはエックスサーバーにSSH接続をする必要があります。
とりあえずSubversionをダウンロードしてインストールしようとしたところ、APR(Apache Portable Runtime)が無いのでエラーが出ました。
それでAPRをインストールしてからもう一度Subversionをインストールしようとしたところ、APRUTILとExpatが無くてエラーに。
順番にインストールしていったところ他にもLibxml2やPython、SQLiteなどもインストールが必要でした。
ちなみに、ヘテムルというレンタルサーバーならSubversionがすでにインストールされているので、すぐに使うことができます。
インストールの手順
最終的には以下のものをインストールしました。
- APR
- Expat
- APR-UTIL
- Python
- Libxml2
- SQLite
- Subversion
それぞれのインストールについて順番に説明します。
インストールと作業用のフォルダを作成
インストール用のディレクトリopt
と、作業用のディレクトリsvnfiles
を作ります。
cd ~/
mkdir opt
mkdir svnfiles
APRのインストール
APRの最新版についてはこちらからダウンロードします。
http://ftp.jaist.ac.jp/pub/apache//apr/
APRをダウンロードし、展開します。
cd svnfiles
wget http://ftp.jaist.ac.jp/pub/apache//apr/apr-1.7.0.tar.gz
tar zxvf apr-1.7.0.tar.gz
ダウンロードしたファイルを展開するとapr-1.7.0
というフォルダが作成されます。
apr-1.7.0
に移動し、configure
を実行します(インストールするフォルダを指定する)。
cd apr-1.7.0
./configure --prefix=/home/(サーバーID)/opt
(サーバーID)は、エックスサーバーのサーバーIDのことです。分からない場合は、エックスサーバーのサーバーパネルにログインすると確認できます。
コンパイルし、インストールします。
make
make install
Expatのインストール
Expatの最新版についてはこちらからダウンロードします。
https://jaist.dl.sourceforge.net/project/expat/expat/
Expatをダウンロードし、展開します。
cd ~/svnfiles
wget https://jaist.dl.sourceforge.net/project/expat/expat/2.2.10/expat-2.2.10.tar.gz
xz -dc expat-2.2.10.tar.xz | tar xfv -
ダウンロードしたファイルを展開するとexpat-2.2.10
というフォルダが作成されます。
作成されたフォルダの中にあるexpat.h
とexpat_external.h
は、APR-UTILをインストールするときにも使います。
expat-2.2.10
に移動し、configure
を実行します(インストールするフォルダを指定する)。
cd expat-2.2.10
./configure --prefix=/home/(サーバーID)/opt
コンパイルし、インストールします。
make
make install
APR-UTILのインストール
APR-UTILの最新版についてはこちらからダウンロードします。
http://ftp.jaist.ac.jp/pub/apache//apr/
APR-UTILをダウンロードし、展開します。
cd ~/svnfiles
wget http://ftp.jaist.ac.jp/pub/apache//apr/apr-util-1.6.1.tar.gz
tar zxvf apr-util-1.6.1.tar.gz
ダウンロードしたファイルを展開するとapr-util-1.6.1
というフォルダが作成されます。
ここで先程のexpat.h
とexpat_external.h
が必要になるので、コピーしてきます。
cp ~/svnfiles/expat-2.2.10/lib/expat.h ~/svnfiles/apr-util-1.6.1/include/expat.h
cp ~/svnfiles/expat-2.2.10/lib/expat_external.h ~/svnfiles/apr-util-1.6.1/include/expat_external.h
apr-util-1.6.1
に移動し、configure
を実行します。
cd apr-util-1.6.1
./configure --prefix=/home/(サーバーID)/opt --with-apr=/home/(サーバーID)/opt
コンパイルし、インストールします。
make
make install
Pythonのインストール
Pythonの最新版についてはこちらからダウンロードします。
https://www.python.org/downloads/source/
Pythonをダウンロードし、展開します。
cd svnfiles
wget https://www.python.org/ftp/python/3.9.2/Python-3.9.2.tar.xz
xz -dc Python-3.9.2.tar.xz | tar xfv -
ダウンロードしたファイルを展開するとPython-3.9.2
というフォルダが作成されます。
Python-3.9.2
に移動し、configure
を実行します。
cd Python-3.9.2
./configure --prefix=/home/(サーバーID)/opt
コンパイルし、インストールします。
make
make install
Libxml2のインストール
Libxml2の最新版についてはこちらからダウンロードします。
http://www.linuxfromscratch.org/blfs/view/svn/general/libxml2.html
Libxml2をダウンロードし、展開します。
cd ~/svnfiles
wget http://xmlsoft.org/sources/libxml2-2.9.10.tar.gz
tar zxvf libxml2-2.9.10.tar.gz
ダウンロードしたファイルを展開するとlibxml2-2.9.10
というフォルダが作成されます。
libxml2-2.9.10
に移動し、configure
を実行します。Libxml2のインストールにはPythonが必要です。
cd libxml2-2.9.10
./configure --prefix=/home/(サーバーID)/opt --with-python=/home/(サーバーID)/opt
コンパイルし、インストールします。
make
make install
Subversionのインストール
Subversionの最新版についてはこちらからダウンロードします。
http://ftp.meisei-u.ac.jp/mirror/apache/dist/subversion/
Subversionをダウンロードし、展開します。
cd ~/svnfiles
wget http://ftp.meisei-u.ac.jp/mirror/apache/dist/subversion/subversion-1.14.0.tar.gz
tar zxvf subversion-1.14.0.tar.gz
ダウンロードしたファイルを展開するとsubversion-1.14.0
というフォルダが作成されます。
subversion-1.14.0
に移動し、configure
を実行します(インストールするフォルダを指定する)。
cd apr-1.7.0
./configure --prefix=/home/(サーバーID)/opt --with-apr=/home/(サーバーID)/opt --with-apr-util=/home/(サーバーID)/opt --with-expat=/home/(サーバーID)/opt/include:/home/(サーバーID)/opt/lib:expat --with-lz4=internal --with-utf8proc=internal
configure
を実行すると、SQLite
がインストールされてないというメッセージが出ます。
メッセージにSQLiteのダウンロード先が表示されているので、そこからダウンロードして展開します。
cd ..
wget https://www.sqlite.org/2015/sqlite-amalgamation-3081101.zip
unzip sqlite-amalgamation-3081101.zip
展開するとsqlite-amalgamation-3081101
というフォルダが作成されます。
作成されたフォルダをsubversion-1.14.0
に移動します。
mv sqlite-amalgamation-3081101 subversion-1.14.0/sqlite-amalgamation
subversion-1.14.0
に移動し、configure
を実行します(インストールするフォルダを指定する)。
cd subversion-1.14.0
./configure --prefix=/home/(サーバーID)/opt --with-apr=/home/(サーバーID)/opt --with-apr-util=/home/(サーバーID)/opt --with-expat=/home/(サーバーID)/opt/include:/home/(サーバーID)/opt/lib:expat --with-lz4=internal --with-utf8proc=internal
コンパイルし、インストールします。
make
make install
これでSubversionがインストールされました。
Subversionのパスを通す
~/opt/bin
にパスが通っていないときはパスを通します。
viで.bashrc
を編集します。
vi ~/.bashrc
最後の行に以下のように追加します。
export PATH=$HOME/opt/bin:$PATH
.bashrc
を保存し、読み直します。
source ~/.bashrc
Subversionのバージョンを表示して、インストールが成功しているか確かめます。
svn --version
インストールが成功していれば下の画像のようにバージョンが表示されます。