女性の薄毛の種類|びまん性脱毛症・FAGA・産後脱毛などの原因や症状

女性の薄毛の種類

薄毛と言えば男性の悩みとイメージされるかもしれませんが、薄毛に悩む女性が年々増加傾向にあります。

ある調査によると、成人女性の10人に7人が薄毛に悩んでいるというデータもあります。

薄毛はもはや男性だけの悩みではありません。ですが男性の場合と違い、女性の薄毛は適切にケアすれば回復しやすいのも事実です。

女性と男性では薄毛の原因や症状が違います。女性の薄毛を解消するためには、女性の薄毛の種類や原因を知っておくことが大切です。

女性の薄毛の種類
  • 瀰漫性(びまん)性脱毛症
  • FAGA(女性男性型脱毛症)
  • 出産後の脱毛(分娩後脱毛症)
  • 円形脱毛症
  • 脂漏性(しろうせい)脱毛症
  • 粃糠性(ひこうせい)脱毛症
  • 牽引性(けんいんせい)脱毛症

それぞれについて詳しく見てみましょう。

びまん性脱毛症(瀰漫性脱毛症)とは

女性の薄毛の中でも最も多いのがびまん性脱毛症です。

「びまん性」というのは広範囲に拡がっているという意味です。

名前の通りどこか限定的に薄くなるのではなく、髪の毛が全体的に薄くなってくるのが「びまん性脱毛症」です。

下のような症状が見られるならびまん性脱毛症の可能性があります。

びまん性脱毛症の症状
  • 髪が細くなった
  • 全体的にボリュームが減ってきた
  • 地肌が透けて目立つ
  • 抜け毛が増えた
  • 髪がぺちゃんこになる

びまん性脱毛症は女性に特有のもので、男性の場合は生え際や頭頂部など限定的に禿げることが多いです。

男性の脱毛症の場合は完全に抜け落ちてしまいますが、びまん性脱毛症の場合は完全に抜け落ちるのではなく、全体的に薄くなっていきます。

びまん性脱毛症の原因

びまん性脱毛症の原因は解明されていない部分も多く、様々な原因が複合的に合わさって症状が現れます。

びまん性脱毛症の原因の一例は下のようなものです。

びまん性脱毛症の原因
  • 女性ホルモンバランスの乱れ
  • 加齢
  • ストレス
  • 睡眠不足
  • 生活習慣の乱れ
  • 無理なダイエット
  • 間違ったヘアケア
  • ヘアカラーやパーマによる頭皮の傷み

びまん性脱毛症は女性ホルモンのバランスと関係しています。

女性ホルモンの分泌が減少しホルモンバランスが乱れると、びまん性脱毛症の原因となります。

女性ホルモンのバランスが乱れる要因として加齢や更年期障害、ストレスなどがあります。

他にも喫煙や飲酒など様々な原因があります。

FAGA(女性男性型脱毛症)とは

男性型脱毛症というのは男性に多い薄毛の症状です。

男性ホルモンが原因であり、頭頂部や前頭部が薄くなるという特徴があります。

近年では女性でも男性のAGAのような症状で悩む方が増えています。

このような女性の薄毛を、男性のAGAに女性を表す「Female」を「F」を加えて、FAGAと言います。

FAGAの原因

女性の体内でも男性ホルモンが作られていることはご存知でしょう。

更年期になると女性でも男性ホルモンの割合が増加し、その影響でFAGAが進行してしまいます。

また遺伝も関係しています。

遺伝的に男性ホルモンの影響を受けやすい人ほどFAGAになりやすいです。

分娩後脱毛症とは

出産後に一時的に髪が抜けやすくなることがあり、これを分娩後脱毛症と言います。

一時的なものなので、出産後しばらくすれば自然と回復していきます。

しかし個人差があるので、髪の毛が減ったまま戻らない方もいます。

そのような場合は、しっかりとケアすることが大切です。

分娩後脱毛症の原因

妊娠・出産に伴い女性ホルモンのバランスが崩れることが原因です。

妊娠中は女性ホルモンが増えます。人によっては妊娠中に毛が濃くなったと感じることもあります。

しかし、出産をすると増えていた女性ホルモンが急激に減ってしまいます。

すると女性ホルモンのバランスが崩れ、薄毛が進行する原因となるのです。

出産後は除々に女性ホルモンのバランスが安定してくるので、それとともに薄毛も回復してきます。

出産したらそれで終わりではないですよね。

赤ちゃんのお世話はとても大変なので、むしろ妊娠中よりも負担が大きくなります。

授乳や夜泣きで睡眠不足になったり、ストレスが溜まると薄毛の原因となります。

一人で頑張らすに、なるべく周囲にも手伝ってもらうと良いでしょう。

円形脱毛症とは

円形脱毛症とは字のごとく、コイン型に丸くハゲる脱毛症です。

以前は極度のストレスが原因と考えられていましたが、現在では少し変わってきています。

円形脱毛症の原因

現在では、円形脱毛症の原因は自己免疫疾患であると考えられています。

ストレスを感じると、それが誘引となり円形脱毛症になります。

自己免疫疾患とは、自身の組織を異物であると誤認して攻撃してしまうことです。

リンパ球は細菌やウイルスなどの外敵から身を守る働きを持っています。

自己免疫疾患になると、リンパ球が成長期の毛包を攻撃し、毛包が縮んで髪の毛の成長が止まってしまい脱毛の原因となります。

脂漏性脱毛症とは

頭皮の皮脂が過剰に分泌することで皮膚炎が引き起こされます。

そして皮膚炎が脱毛を引き起こすまで進行してしまうのが脂漏性脱毛症で、皮膚疾患のひとつです。

脂漏性脱毛症の原因

皮脂が過剰に分泌されるとマラセチア真菌という常在菌が増殖し、炎症を引き起こします。

またフケや痒み、頭皮の赤みななどの症状が場合もあります。

炎症を放置していると、髪の毛に栄養が届きにくくなり脱毛の原因となります。

頭皮の皮脂が過剰に分泌する原因として下のようなものがあります。

皮脂の過剰分泌の原因
  • 食生活や生活習慣の乱れ
  • 女性ホルモンのバランスの乱れ
  • 頭皮の洗いすぎ

頭皮の洗すぎがなぜ良くないの?と思われるかもしれません。

もともと皮脂には頭皮を守る働きがあります。

シャンプーなどで洗いすぎると頭皮に必要な皮脂までも取り除いてしまうので、頭皮を守ろうとして皮脂を過剰に分泌してしまいます。

脂漏性脱毛症の場合は、皮膚科で診てもらったり、低刺激なシャンプーに変えて頭皮のケアを同時に進めていく必要があります。

それと合わせて、規則正しい生活とバランスの良い食生活を心がけましょう。

粃糠性脱毛症とは

粃糠性脱毛症は、大量の細かいフケが特徴の脱毛です。頭皮に痒みが出る場合もあります。

フケが多い脱毛なら粃糠性脱毛症の可能性があります。

粃糠性脱毛症の原因

乾燥したフケが毛穴に入り込むと、菌が繁殖して炎症が起こします。

すると毛母細胞の活動を妨げ、抜け毛が増える原因となります。

フケが出る原因は様々ですが、例えば洗浄力の強いシャンプーやヘアカラーなどで頭皮が傷み、肌トラブルがおきているケースがあります。

軽度の場合には、まずは洗浄力が弱いシャンプーや殺菌系のシャンプーでフケや炎症を抑えるようにすれば改善が見込めます。

セルフケアで改善が見込めない場合は早めに医師に相談しましょう。

牽引性脱毛症とは

髪を引っ張るようなヘアスタイル、例えばポニーテールや編み込みなどにしていると頭皮に負担がかかります。

常に引っ張るヘアスタイルにしていると、引っ張られている部分から薄毛になっていきます。

このような薄毛を牽引性脱毛症と言います。

髪を引っ張るヘアスタイルが原因なので、そのようなヘアスタイルをやめたり、あるいは毎日同じ場所を束ねるのではなく日によって変えるなどすると良いです。